「親が建てた分家住宅を相続したので売却したい」
「秦野市の市街化調整区域にある家を売りたいが、不動産会社から難しいと言われた」
「分家住宅は普通の人には売却できないと聞いた」
秦野市で、このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
秦野市の市街化調整区域にある分家住宅の売却では、一般的な中古住宅とは異なる調査が必要になることがあります。
特に重要なのが、その住宅が「いつ・誰が・どのような根拠で建築した住宅なのか」という都市計画法上の許可履歴です。
秦野市も、市街化調整区域内の建物について、農家住宅や農家分家などの中には、当初の建築主やその家族以外の人が居住できないものがあると注意喚起しています。
そのため、分家住宅だから一律に「売れない」と考えるのではなく、まず秦野市役所で許可履歴などを調査し、第三者への売却後に買主がその住宅を利用できるのかを確認したうえで、売却方法を検討することが重要です。
この記事では、秦野市で分家住宅の売却を検討している方に向けて、秦野市役所で確認したい事項や担当部署、売却までの流れを解説します。
秦野市の分家住宅を売却する前に知っておきたい「市街化調整区域」
秦野市では、市の全域が都市計画区域に指定されており、昭和45年6月10日に「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分されました。
市街化調整区域とは、市街化を抑制することを目的とした区域です。
秦野市では、市街化調整区域について、原則として開発行為や建築行為が制限されており、都市計画法などで認められる一定の場合に限って例外的に認められる仕組みとなっています。
その例外の一つとして建築されてきた住宅が、いわゆる「分家住宅」です。
神奈川県の開発審査会提案基準3では、「分家住宅(農家の二・三男が分家する場合の住宅等)」について基準が設けられています。
たとえば、従来の基準では、本家となる世帯が市街化調整区域への線引き前から所有していた土地であることや、分家する人自身が生活の本拠として使用する住宅であることなど、さまざまな要件が定められています。
つまり、一般的な住宅とは異なり、「その人が自分で住む住宅だから認められた」という属人的な背景を持って建築されている場合があるということです。
そのため、売主から第三者へ所有権を移せば、それだけで第三者が当然に同じように居住できるとは限りません。
秦野市は「農家分家は第三者が建築できない場合がある」と明示しています
ここは、秦野市で分家住宅を売却するうえで非常に重要です。
秦野市は、市街化調整区域内の土地・建物を購入するときの注意事項を公式ホームページで公開しています。
その中で、開発許可を受けた土地について、「既存宅地」として許可を受けたものは第三者であっても建築できる一方、「農家の分家」として許可を受けたものなどについては、許可を受けた人以外は建築できないものもあると案内しています。
さらに建物についても、農家住宅や農家分家などの中には、当初の建築主およびその家族以外の人が居住できない建物があると秦野市が明示しています。
したがって、秦野市の分家住宅を売却するときは、単に不動産査定をして販売価格を決めるだけでは十分ではありません。
まず、
「この住宅は、どのような許可を受けて建築された住宅なのか」
を確認する必要があります。
分家住宅だからといって「売買そのもの」が禁止されているわけではありません
ここは混同しやすいポイントです。
都市計画法は、土地や建物の売買そのものを一律に禁止する法律ではありません。
秦野市も、市街化調整区域について、都市計画法は開発行為や建築行為を規制するものであり、土地の売買を直接規制するものではないと説明しています。
したがって、
「分家住宅だから所有権を第三者へ売却すること自体が絶対にできない」
という単純な話ではありません。
問題となるのは、その住宅を購入した第三者が、
- その住宅に適法に居住できるのか
- 将来的に増築・改築できるのか
- 建替えできるのか
- 敷地を変更できるのか
- 別の用途として使用できるのか
といった点です。
だからこそ、売買契約を先に進めるのではなく、行政調査を先行させることが重要になります。
秦野市の分家住宅を売却するときの流れ
秦野市の分家住宅の売却を検討するときは、概ね次のような順番で進めます。
1.まずは土地・建物の資料を確認する
最初に、所有している資料を確認します。
たとえば、
- 土地・建物の登記事項証明書
- 公図
- 地積測量図
- 建物図面
- 建築確認関係書類
- 開発許可・建築許可関係書類
- 農地転用関係書類
- 土地を取得した当時の資料
- 過去の売買契約書
- 固定資産税関係資料
などです。
昔の住宅の場合、許可書などが残っていないことも珍しくありません。
資料が見当たらないからといって、直ちに調査できないわけではありません。
秦野市役所に残っている資料などから、建築された経緯を追っていきます。
2.市街化区域・市街化調整区域などを確認する
まず確認したいのが、都市計画上の区域です。
秦野市では、「はだのWEBマップ」で都市計画情報を公開しています。
また、市役所西庁舎1階には「はだのマップステーション」が設置されており、
- 都市計画情報
- 指定道路種別図
- 位置指定道路図
- 道路台帳図
- 認定市道路線網図
- 道路境界確定図
- 水道管網図
- 公共下水道台帳
など、土地取引や開発に関係するさまざまな情報を確認できます。
ただし、WEB上の情報だけで分家住宅の売却可否を判断することはできません。
分家住宅では、ここからさらに過去の許可履歴を調べることが重要です。
3.秦野市開発指導課で「何の許可で建てられた住宅なのか」を調べる
分家住宅の調査で中心になる部署が、秦野市 都市部 開発指導課です。
場所は秦野市役所西庁舎2階です。
開発指導課では、都市計画法に基づく開発許可・建築許可等を担当しています。
また、開発許可を受けた土地については「開発登録簿」が保管されています。
開発登録簿では、
- 開発許可番号・年月日
- 許可を受けた人の住所・氏名
- 開発区域の位置
- 開発区域の面積
- 予定建築物の用途
- 都市計画法第41条による制限
- 検査済証番号・年月日
- 完了公告番号・年月日
などを確認できます。
土地利用計画図・完了図が保存されている場合には、開発区域の形状や予定建築物の用途などについても確認できます。
分家住宅の売却では、ここから、
「この住宅は農家分家として許可された住宅なのか」
「どの許可基準が適用されているのか」
「現在の所有者以外の第三者が取得した場合の取扱いはどうなるのか」
といった点を整理していくことになります。
秦野市 都市部 開発指導課
所在地:秦野市桜町1丁目3番2号 秦野市役所西庁舎2階
電話:0463-83-5123
4.秦野市建築指導課で建物の履歴を確認する
都市計画法上の調査と併せて確認したいのが、建築基準法上の履歴です。
担当は、秦野市 都市部 建築指導課です。
こちらも秦野市役所西庁舎2階にあります。
秦野市では、昭和54年度以降に秦野市内で確認処分された物件について「建築計画概要書」の写しを取得できます。
また、「記載事項証明書」によって、保存されている資料の範囲内で、
- 建築主
- 敷地の位置
- 主要用途
- 延べ面積
- 構造
- 階数
- 確認済証番号
- 確認年月日
- 検査済証番号
- 検査済証交付年月日
などを確認できます。
なお、確認済証や検査済証そのものを紛失した場合、秦野市では再発行していません。
そのため、手元に書類が残っていない場合には、このような行政資料を利用して建築履歴を調査していきます。
秦野市 都市部 建築指導課
所在地:秦野市桜町1丁目3番2号 秦野市役所西庁舎2階
電話:0463-83-0883
5.接道状況を確認する
分家住宅の売却では、前面道路についても確認します。
現在建物が建っているからといって、将来も当然に同じように建替えできるとは限りません。
秦野市では、「はだのWEBマップ」で建築基準法上の道路種別を公開しています。
また、はだのマップステーションでは、
- 指定道路種別図
- 位置指定道路図
- 道路台帳図
- 認定市道路線網図
- 道路境界確定図
などを確認できます。
ただし秦野市は、WEBマップについて法改正や最新の地図情報が反映されるまで時間を要する場合があるとしています。
未判定道路など、判断できない道路については建築指導課への確認が必要です。
また、建築基準法第42条第2項道路に接しており道路後退が必要となる場合には、道路後退についての確認も必要になります。
6.農地が含まれていないか確認する
分家住宅では、住宅敷地だけでなく、その周辺に畑などを所有しているケースもあります。
登記地目が「田」や「畑」であったり、現況が農地であったりする場合には、都市計画法だけでなく農地法の検討も必要です。
秦野市の市街化調整区域内の農地転用については、秦野市農業委員会事務局が窓口です。
市街化調整区域内の農地を農地以外の用途に転用する場合には、原則として農地法上の許可が必要になります。
また、農業振興地域内の農用地区域に指定されている農地については、原則としてそのまま転用することはできません。
そのため、農用地区域への指定については秦野市農業振興課への確認も必要になります。
秦野市農業委員会事務局
所在地:秦野市役所西庁舎1階
電話:0463-82-9654
7.調査結果をもとに売却方法を検討する
ここまで調査して初めて、
「どのような条件で売却できる物件なのか」
を具体的に検討できます。
通常の中古住宅と同様に販売できるのか。
買主について都市計画法上の確認や手続きが必要になるのか。
建替えについてどのような制限があるのか。
農地や道路について別途手続きが必要なのか。
こうした条件によって、販売方法や買主への説明内容も変わります。
市街化調整区域の分家住宅では、価格だけを決めて先に広告を出すのではなく、行政調査の結果を販売条件に反映させることが重要です。
8.買主への説明・売買契約・引渡し
調査結果を整理したうえで販売活動を行い、購入希望者が見つかったら契約条件を詰めていきます。
特に分家住宅では、
- 市街化調整区域であること
- 過去の許可内容
- 建築された経緯
- 第三者による利用についての行政上の取扱い
- 増改築・建替え等に関する制限
- 接道状況
- 農地が含まれる場合の取扱い
など、通常の住宅以上に慎重な説明が必要になる可能性があります。
売主・買主双方が条件を理解したうえで売買契約を締結し、決済・所有権移転・引渡しへ進みます。
秦野市の分家住宅は「査定」より先に行政調査をした方がよい場合があります
一般的な住宅売却では、
「いくらで売れるのか」
が最初の関心事になると思います。
しかし、秦野市の市街化調整区域にある分家住宅では、価格査定だけでは分からない問題があります。
仮に建物や土地だけを見て価格を査定したとしても、第三者による利用や将来の建替えなどに制限があれば、当然ながら販売方法や市場性にも影響します。
逆に、「市街化調整区域だから売れない」と最初から諦める必要もありません。
重要なのは、その土地・建物について個別に許可履歴を調査することです。
同じ秦野市の市街化調整区域にある住宅でも、許可された根拠や土地・建物の履歴などによって条件は異なります。
秦野市の分家住宅を売却するときによくある質問
Q.秦野市の分家住宅は一般の人に売却できますか?
物件ごとの確認が必要です。
都市計画法は建物の売買そのものを直接禁止しているわけではありません。
一方、秦野市は、農家住宅や農家分家などについて、当初の建築主およびその家族以外の人が居住できない建物があると明示しています。
そのため、「売買できるか」だけではなく、購入した第三者が適法にその住宅を利用できるのかを確認することが重要です。
まず開発指導課で過去の許可内容を調査することをおすすめします。
Q.分家住宅であることは、どのように調べるのですか?
手元に当時の許可書などが残っていれば、その内容を確認します。
書類がない場合には、秦野市開発指導課に保存されている開発登録簿などを確認します。
併せて建築指導課で建築計画概要書や記載事項証明書などを確認し、都市計画法と建築基準法の両面から建物の履歴を調べていきます。
Q.昔の開発許可書や建築確認書類をなくしてしまいました。売却できますか?
書類を紛失しただけで直ちに売却できなくなるわけではありません。
秦野市開発指導課では開発登録簿を閲覧でき、写しの交付も行っています。
また、建築指導課でも保存されている資料から建築計画概要書や記載事項証明書などを取得できる場合があります。
まず行政に残っている資料を調査します。
Q.建物を解体して「土地」として売却すれば簡単になりますか?
行政調査をする前に建物を解体することは慎重に検討した方がよいでしょう。
秦野市では、以前建築物が建っていた市街化調整区域の土地について、建物登記簿や固定資産税の課税台帳登録事項証明書、建築物の滅失証明など、過去に建物が存在していたことを示す資料が必要になる場合があります。
既存建物の履歴が、将来の土地利用を検討する重要な材料になる可能性があります。
そのため、「古いからとりあえず壊す」のではなく、解体前に開発指導課へ相談することをおすすめします。
Q.現在建物が建っていれば、買主も将来建替えできますか?
現在建物が存在していることだけをもって、将来の建替えが当然に認められるとは限りません。
秦野市の市街化調整区域では、新築・建替え・増築・用途変更などについて都市計画法上の制限があります。
将来の建替え可能性は、過去の許可内容や現在の土地の状況などを確認して個別に判断する必要があります。
Q.住宅の一部を事務所や店舗として使用できますか?
これも事前確認が必要です。
秦野市では、市街化調整区域について、建築工事を伴わない場合であっても建築物の「用途変更」を行う場合には事前相談が必要としています。
購入者が「住宅としてではなく店舗として使いたい」「自宅兼事務所にしたい」と考えている場合には、売買契約前に開発指導課へ確認した方がよいでしょう。
Q.敷地の横に畑があります。一緒に売却できますか?
農地については別途農地法の規制があります。
市街化調整区域内の農地を住宅敷地など農地以外の用途に転用する場合には、原則として農地転用許可が必要です。
また、農用地区域に指定されている場合には、さらに厳しい制限があります。
住宅と隣接農地を一体で売却したい場合には、不動産としての売却だけではなく、農地法・都市計画法双方から検討する必要があります。
Q.不動産会社に「市街化調整区域なので売れない」と言われました。本当に売れませんか?
「市街化調整区域だから」という理由だけで、一律に売却できないとは判断できません。
秦野市自身も、都市計画法は土地・建物の売買そのものを直接規制する法律ではないと説明しています。
ただし、購入者がその建物を利用できるか、建替えできるかなどについて制限が存在する可能性があります。
そのため、
市街化調整区域だから売れない
と考えるのではなく、
市街化調整区域だからこそ、許可履歴などを調査してから売却方法を判断する
という順番で考えることが重要です。
秦野市の分家住宅の売却はリバーフィールドへご相談ください
秦野市の分家住宅を売却するときに重要なのは、単に「いくらで売れるか」を査定することだけではありません。
まず、
「なぜこの場所に、この住宅を建築することが認められたのか」
という行政上の経緯を確認する必要があります。
そのためには、
- 都市計画法
- 開発許可・建築許可
- 建築基準法
- 道路
- 農地法
- 農業振興地域制度
などを横断して確認する必要が生じることがあります。
リバーフィールドでは、行政書士事務所と不動産会社を運営しているため、秦野市における行政上の調査から不動産売却まで一体的にご相談いただけます。
「親が建てた分家住宅を相続したので売りたい」
「昔の許可書がなく、どのような経緯で建てられた住宅なのか分からない」
「市街化調整区域だから売却は難しいと言われた」
「売却できるのか分からないので、まず秦野市役所で調べてほしい」
このような段階からでもご相談ください。
分家住宅だから売れないと決めつける前に、その土地・建物がどのような許可を受け、現在どのような取扱いになるのかを調査するところから始めます。

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