「秦野市にある実家を相続したものの、今後住む予定がない」
「長年空き家になっている家を売却したい」
「古い家なので、そのまま売れるのか分からない」
「売却するなら、先に家財を片付けたり建物を解体したりした方がいいのだろうか」
秦野市に空き家を所有している方の中には、このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
空き家の売却というと、最初に「いくらで売れるのか」を考えがちですが、古い住宅や市街化調整区域内の住宅などでは、価格査定より先に土地・建物の状況を調査した方がよい場合があります。
また、秦野市では「秦野市空家バンク」が運営されているほか、空家バンクに登録する住宅を対象とした家財道具の処分や庭木の伐採、リフォームに関する補助制度も設けられています。
この記事では、秦野市で空き家の売却を検討している方に向けて、売却を始める前に確認したいこと、秦野市独自の制度、具体的な行政窓口、売却までの流れを解説します。
秦野市の空き家は古くても売却できる?
建物が古いからという理由だけで、空き家を売却できないわけではありません。
空き家の売却方法としては、大きく、
- 建物を残したまま中古住宅・古家付き土地として売却する
- 必要な修繕を行ってから売却する
- 建物を解体して更地として売却する
などが考えられます。
どの方法が適しているかは、建物の築年数だけでは判断できません。
土地の立地や面積、接道状況、建物の状態、都市計画上の制限、建替えの可否などを確認したうえで判断することが重要です。
特に秦野市には、市街化区域だけでなく市街化調整区域も広く存在します。
市街化調整区域では、原則として建築物の建築が制限されており、一定の要件を満たす場合に建築等が認められます。
そのため、「古い家だから解体して更地にした方が売りやすいだろう」と考えて、行政調査をする前に建物を解体することは慎重に検討した方がよい場合があります。
まずは現在の土地・建物の状況を調査し、そのまま売るのか、解体するのかを検討することをおすすめします。
秦野市の空き家売却で最初に確認したいこと
空き家を売却するときは、いきなり販売価格を決めるのではなく、まずその不動産について基本的な調査を行います。
1.誰が所有している空き家なのか
最初に確認したいのが所有者です。
法務局で土地・建物の登記事項証明書を取得し、現在の登記名義人を確認します。
特に親から相続した実家の場合、
「亡くなった親名義のままになっている」
「兄弟姉妹など複数人で相続している」
「土地は父親名義だが建物は祖父名義になっている」
といったケースもあります。
相続した不動産を売却する場合には、原則として売却前に相続登記を行い、現在の所有者を登記に反映させる必要があります。
秦野市空家バンクについても、登録できる物件の条件として、相続と登記がされていることが挙げられています。
2.市街化区域か市街化調整区域か
次に確認したいのが都市計画です。
秦野市には市街化区域と市街化調整区域があります。
特に注意したいのが市街化調整区域です。
秦野市は、市街化調整区域について、市街化を抑制する区域であるため原則として建築物を建築できないものの、市街化調整区域指定以前から存在する建物の建替えなど、一定の要件を満たす土地では建築できる場合があると案内しています。
そのため、市街化調整区域の空き家については、
- どのような経緯で建築された住宅なのか
- 過去にどのような許可を受けているのか
- 第三者が購入した後も住宅として利用できるのか
- 将来建替えができるのか
などを確認する必要があります。
秦野市空家バンクでも、市街化調整区域内の物件については、「再建築可能であるかどうか」などを秦野市開発指導課へ事前相談する必要があると明記されています。
3.道路・接道状況を確認する
空き家の売却価格や建替え可能性に大きく影響するのが道路です。
現在住宅が建っているからといって、将来も当然に建替えできるとは限りません。
秦野市では「はだのWEBマップ」で建築基準法上の道路種別などを確認できます。
また、秦野市役所西庁舎1階の「はだのマップステーション」では、指定道路種別図、位置指定道路図、道路台帳図、認定市道路線網図、道路境界確定図などの情報を確認できます。
道路について不明な点がある場合には、秦野市建築指導課などへの確認が必要になります。
4.建物の建築履歴を確認する
古い空き家の場合、
「確認済証が見つからない」
「検査済証があるのか分からない」
「いつ建築されたのかよく分からない」
というケースがあります。
秦野市建築指導課では、保存されている物件について建築計画概要書や記載事項証明書などを取得できる場合があります。
これらの資料から、
- 建築主
- 敷地の位置
- 建物用途
- 構造
- 階数
- 確認済証番号
- 確認年月日
- 検査済証番号
- 検査済証交付年月日
などを確認できます。
手元に建築関係書類が残っていない場合でも、まず行政に保存されている資料を調査します。
秦野市の空き家を売却するまでの流れ
秦野市の空き家を売却するときは、概ね次のような流れで進めます。
1.所有関係・相続関係を確認する
まず、土地・建物の登記事項証明書などから所有者を確認します。
相続した空き家で相続登記が済んでいない場合には、相続関係を整理したうえで相続登記を進めます。
共有名義になっている場合には、売却について共有者間で意思を確認しておくことも重要です。
2.現地を確認する
次に実際の土地・建物を確認します。
建物の状態だけでなく、
- 家財道具の残置状況
- 庭木・雑草
- 境界標
- 擁壁
- 前面道路
- 駐車スペース
- 隣接地との状況
なども確認します。
長期間空き家になっている場合には、所有者自身が現在の状態を把握していないこともあります。
遠方に住んでいる場合には、特に現地確認が重要です。
3.秦野市役所などで法令調査を行う
現地確認と並行して行政調査を行います。
一般的な住宅であれば都市計画、用途地域、道路などを確認します。
市街化調整区域の場合には、それだけではありません。
過去の開発許可・建築許可などを確認し、現在の建物がどのような根拠で建築されているのかを調査する場合があります。
秦野市では、市街化調整区域に関する相談について都市部 開発指導課が窓口となっています。
秦野市 都市部 開発指導課
所在地:秦野市桜町1丁目3番2号 秦野市役所西庁舎2階
電話:0463-83-5123
また、建築基準法上の道路や建築履歴などについては都市部 建築指導課で確認します。
4.「そのまま売る」「修繕する」「解体する」を検討する
調査結果を踏まえて売却方法を検討します。
ここで初めて、
建物を残したまま売った方がよいのか
修繕してから売った方がよいのか
解体して土地として売った方がよいのか
を比較します。
必ずしもお金をかけてリフォームした方が高く売れるとは限りません。
購入者自身が好きなようにリフォームしたい場合もあります。
同様に、古いからといって必ず解体した方がよいわけでもありません。
特に市街化調整区域など、建物の存在や過去の許可履歴が重要になる不動産については、解体する前に行政上の取扱いを確認することが重要です。
5.査定・販売価格を検討する
法令上の条件や物件の状態が分かったところで、査定を行います。
空き家の価格は建物の築年数だけで決まるものではありません。
土地面積、立地、接道状況、建替え可能性、建物状態などを踏まえて査定します。
そのうえで販売価格を決定します。
6.販売活動を開始する
売却条件を整理したうえで販売活動を開始します。
一般的な不動産市場で販売する方法のほか、条件を満たす空き家であれば、秦野市空家バンクへの登録も選択肢になります。
7.買主への説明・売買契約・引渡し
購入希望者が見つかったら、物件について必要な説明を行い、条件を調整したうえで売買契約を締結します。
その後、決済・所有権移転登記・物件の引渡しを行い、売却完了となります。
秦野市には「空家バンク」があります
秦野市で空き家を売却するときに知っておきたい制度の一つが、秦野市空家バンクです。
秦野市空家バンクは、空き家などを売りたい・貸したい所有者から申込みを受け、物件情報を秦野市ホームページなどで公開し、購入・賃借を希望する人とのマッチングを図る制度です。
秦野市によると、令和7年度の空家バンク成約率は84.75%で、累計登録数は260件を超えています。
空家バンクへの登録料・掲載料はかかりません。
秦野市空家バンクに登録できる物件
秦野市では、
- 一戸建て住宅
- アパート・マンションの空室
- 空店舗・空事務所等
- 空き地
を登録対象としています。
ただし、秦野市内にあることに加え、
- 人が居住・使用していないこと
- 空き家に住民票がないこと
- 相続・登記がされていること
- 違法建築物等ではないこと
- 土砂災害特別警戒区域等に該当していないこと
などの条件があります。
また、市街化調整区域内の物件については、再建築可能性などについて開発指導課への事前相談が必要です。
空家バンクへ登録すると秦野市職員が現地調査
売りたい所有者は、空家バンク登録申請書と登録カードを交通住宅課へ提出します。郵送での提出も可能です。
その後、所有者立会いのもとで秦野市職員が現地調査・写真撮影を行い、市が登録可否を決定します。
登録されると物件情報が秦野市ホームページなどで公開され、購入希望者から申込みがあった場合には所有者へ通知されます。
ただし、秦野市が不動産の売買契約や価格交渉を行ってくれる制度ではありません。
秦野市が行うのは物件情報の公開などであり、交渉・契約については所有者、購入希望者、仲介業者などの当事者間で行います。
秦野市空家バンクの問い合わせ先
秦野市 都市部 交通住宅課 住宅政策・移住相談担当
所在地:秦野市桜町1丁目3番2号 秦野市役所西庁舎2階
電話:0463-82-9642
秦野市では空き家の家財処分などに補助金を利用できる場合があります
「空き家を売りたいけれど、家の中に親の家具や家財道具が大量に残っている」
というケースもあると思います。
秦野市では、空き家の適正管理・活用を促進するため、家財道具の処分、庭木の伐採、リフォームなどについて補助制度を設けています。
ただし、対象となるのは秦野市空家バンクに登録する一戸建て住宅(併用住宅を含む)であり、補助金を利用するためには空家バンクへの登録が必要です。
たとえば適正管理に関する補助では、家財道具の処分や庭木の伐採にかかる費用について、対象経費の3分の1以内、最大12万円の補助を受けられる制度があります。
家財道具の処分については秦野市一般廃棄物収集運搬の許可を有する事業者への委託など、対象となるための条件があります。
また、補助制度には予算や申請時期、対象工事等について条件があります。
利用を検討する場合には、家財処分や工事を始める前に交通住宅課へ確認することが重要です。
秦野市の空き家だからこそ注意したい「市街化調整区域」
秦野市の空き家売却で、特に注意したいのが市街化調整区域です。
市街化調整区域にある住宅は、すべて同じ条件で建築されたものではありません。
たとえば、
- 市街化調整区域指定以前から存在する住宅
- 過去に開発許可・建築許可を受けた住宅
- 分家住宅
- 農家住宅
など、建築された経緯が異なる住宅があります。
そのため、市街化調整区域の空き家では、
「今、家が建っている」=「誰でも購入して将来自由に建替えできる」
とは限りません。
過去の許可内容や土地・建物の履歴を確認したうえで売却する必要があります。
分家住宅については、別の記事で詳しく解説しています。
関連記事:
秦野市の分家住宅は売却できる?市街化調整区域の調査方法と売却の流れ
相続した秦野市の実家が空き家になっている場合
空き家売却のきっかけとして多いのが相続です。
親が亡くなり秦野市の実家を相続したものの、
「自分は東京や横浜など別の場所に住んでいる」
「今後秦野市へ戻る予定がない」
「兄弟の誰も住む予定がない」
というケースがあります。
この場合には、建物をそのまま放置するのではなく、
自分たちで利用する
賃貸する
売却する
など、今後の方針を早めに検討することをおすすめします。
特に相続人が複数いる場合、さらに次の相続が発生すると権利関係が複雑になる可能性があります。
「まだ売るか決めていない」という段階でも、現在の不動産価値や売却する場合の問題点を確認しておくと、今後の判断がしやすくなります。
秦野市の空き家を放置するとどうなる?
今すぐ売却する予定がなくても、空き家は適切に管理する必要があります。
秦野市は現在、令和8年度から令和12年度までを対象とする「第3期秦野市空家等対策計画」に基づいて空家対策を進めています。
適切な管理がされていない空き家については、状態によって「管理不全空家等」や「特定空家等」として対応の対象になる可能性があります。
たとえば、
- 建物の老朽化
- 屋根や外壁等の危険
- 庭木・雑草の繁茂
- 衛生上の問題
- 周辺住民への影響
などが問題になります。
秦野市では、空き家の管理が難しい所有者向けに、秦野市シルバー人材センターによる見回り、庭木の剪定などの管理代行サービスも案内しています。
特に遠方に住んでいる場合には、「売却するまで何もしない」のではなく、売却活動中も適切に管理することが大切です。
秦野市の空き家売却でよくある質問
Q.築40年、50年の古い空き家でも売れますか?
築年数だけで売却できる・できないが決まるわけではありません。
建物を中古住宅として評価できる場合もあれば、建物価格をほとんど見込まず「古家付き土地」として販売する方法もあります。
まず土地・建物の状態や法令上の条件を確認してから売却方法を検討します。
Q.家の中に家具や荷物が残っています。全部片付けてから相談した方がいいですか?
必ずしも先に片付ける必要はありません。
まず現状を確認し、売却方法を決めてから片付けを行う方法もあります。
また、秦野市空家バンクに登録する一戸建て住宅など、一定の条件を満たす場合には家財道具の処分費用について秦野市の補助制度を利用できる可能性があります。
そのため、大量の家財が残っている場合には、処分を依頼する前に制度の対象になるか確認することをおすすめします。
Q.古い家なので先に解体した方が売りやすいですか?
物件によります。
建物を解体して更地にした方が販売しやすい土地もありますが、建物を残した状態で販売した方がよい場合もあります。
特に市街化調整区域では、過去の建築・許可履歴などを確認することが重要です。
解体してしまってから判断するのではなく、解体前に調査することをおすすめします。
Q.秦野市外に住んでいますが、秦野市の実家を売却できますか?
可能です。
相続や所有関係、現地の状態を確認したうえで売却を進めます。
遠方に住んでいて空き家の日常的な管理が難しい場合には、秦野市が案内している空き家管理サービスなどを利用する方法もあります。
Q.相続登記をしていません。空家バンクに登録できますか?
秦野市空家バンクでは、登録する物件について相続・登記がされていることを条件としています。
親名義のままになっている場合には、相続関係を確認し、必要な相続登記を行ったうえで登録を検討します。
Q.秦野市の空家バンクと普通の不動産売却はどちらがいいですか?
どちらか一方しか利用できないという考え方ではありません。
秦野市空家バンクは、市のホームページ等を通じて物件情報を発信できることがメリットです。
一方、秦野市自身が価格査定、購入者との価格交渉、売買契約などをすべて行う制度ではありません。
物件の条件や希望する売却方法を踏まえて検討するとよいでしょう。
Q.市街化調整区域の空き家でも売却できますか?
市街化調整区域だからという理由だけで、売買そのものが禁止されているわけではありません。
ただし、第三者が購入後に住宅として利用できるのか、将来建替えできるのかなどについて確認が必要になる場合があります。
秦野市空家バンクでも、市街化調整区域の物件については再建築可能性などを開発指導課へ事前相談することを求めています。
そのため、市街化調整区域の空き家については、通常の価格査定だけでなく行政調査を行ったうえで売却方法を検討することが重要です。
秦野市の空き家売却はリバーフィールドへご相談ください
秦野市の空き家を売却するときは、単に「いくらで売れるか」を調べるだけではなく、土地・建物の状態を把握したうえで売却方法を考えることが重要です。
特に、
「相続した実家なので、昔のことがよく分からない」
「市街化調整区域にある」
「分家住宅かもしれない」
「古い建物なので解体するべきか迷っている」
「農地も一緒に相続している」
「道路や建替えについて問題がないか分からない」
といった不動産では、行政上の調査が必要になる場合があります。
リバーフィールドでは、行政書士事務所と不動産会社を運営しているため、秦野市における行政上の調査から不動産売却まで一体的にご相談いただけます。
「売却すると決めたので査定してほしい」という段階だけでなく、
「そもそも、この空き家は普通に売れるのか分からない」
という段階からでも構いません。
まず土地・建物の状況を確認し、必要な行政調査を行ったうえで、そのまま売却するのか、空家バンクを利用するのか、解体して売却するのかなど、物件に応じた売却方法を検討します。
秦野市に使う予定のない実家・空き家を所有している方は、リバーフィールドまでお気軽にご相談ください。

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