空き家マンションは売却できる?売却方法と注意点をわかりやすく解説

親から相続したマンションや、住み替えによって誰も住まなくなったマンションについて、「空き家のまま売却できるのだろうか」「売却前にリフォームや片付けが必要なのだろうか」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論からいうと、空き家になっている分譲マンションは、基本的にそのまま売却することができます。 誰も住んでいないこと自体が、売却の妨げになるわけではありません。

ただし、マンションの場合は戸建て住宅と異なり、管理費や修繕積立金、管理組合の規約、共用部分の管理状況など、売却前に確認しておきたい事項があります。

また、相続したマンションであれば、相続登記などの手続きが必要になることもあります。

この記事では、空き家になった分譲マンションの売却方法や手続きの流れ、売却前に確認しておきたい注意点について、不動産会社の立場からわかりやすく解説します。

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空き家になったマンションは売却できる?

誰も住んでいないマンションでも売却できる

分譲マンションは、現在誰も住んでいない状態であっても売却できます。

売却できるかどうかを判断するうえで重要なのは、空き家であることよりも、立地や築年数、建物の状態、管理状況、権利関係などです。

例えば、長年空室になっていたマンションでも、交通の利便性がよく、建物の管理状態が良好であれば、購入希望者が見つかる可能性があります。

反対に、比較的新しいマンションでも、管理状況や室内の状態によっては売却に時間がかかる場合があります。

そのため、空き家になっているという理由だけで売却を諦める必要はありません。

空室のマンションは内覧や引渡しがしやすい

誰も住んでいないマンションには、売却活動を進めやすいという利点があります。

居住中のマンションを売却する場合、購入希望者の内覧に合わせて予定を調整したり、生活用品を整理したりする必要があります。

一方、空室のマンションであれば、不動産会社が鍵を管理するなどして、比較的柔軟に内覧へ対応できます。

また、家具がない状態であれば、購入希望者が部屋の広さや間取りを確認しやすくなることもあります。

さらに、すでに退去が完了しているため、売買契約後の引渡し時期についても調整しやすい傾向があります。

ただし、室内に荷物が残っている場合や、設備に不具合がある場合などは、事前の確認が必要です。

長期間放置されたマンションは売却に影響することもある

空き家になっている期間が長いマンションでは、室内の状態に注意が必要です。

人が住んでいない住宅では、換気や通水が行われないことで、湿気やカビ、排水トラップの封水切れなどが発生することがあります。

また、給湯器やエアコンなどの設備についても、長期間使用していない場合は正常に作動するか確認が必要です。

こうした不具合があると、購入希望者から修繕を求められたり、売却価格の交渉材料になったりする可能性があります。

ただし、空き家であった期間だけを理由に売却価格が決まるわけではありません。

まずは現状を把握し、修繕が必要なのか、そのまま売却するのかを不動産会社と相談することが大切です。

空き家マンションを売却する方法

不動産会社に仲介を依頼する

空き家マンションを売却する一般的な方法は、不動産会社に仲介を依頼することです。

仲介とは、不動産会社が売主と買主の間に入り、購入希望者を探したり、売買条件の調整や契約手続きをサポートしたりする方法です。

不動産会社は、物件情報サイトへの掲載や購入希望者への紹介などを通じて売却活動を行います。

仲介の利点は、一般の購入希望者を対象に売却活動を行えるため、市場の需要に応じた価格で売却できる可能性があることです。

一方、購入希望者が見つかるまでの期間は物件によって異なり、売却までに時間がかかる場合もあります。

また、売買が成立した場合には、原則として仲介手数料が発生します。

不動産会社に直接買い取ってもらう

不動産会社による買取も、空き家マンションを売却する方法の一つです。

買取とは、不動産会社自身が買主となってマンションを購入する方法です。

一般の購入希望者を探す必要がないため、条件が整えば仲介よりも短期間で売却できる場合があります。

また、室内に不具合がある物件や、リフォームが必要な物件でも、現状のまま買い取ってもらえることがあります。

ただし、買取価格は、一般の購入希望者に仲介で売却する場合と比較して低くなる傾向があります。

これは、不動産会社が購入後のリフォーム費用や再販売にかかる経費、事業上のリスクなどを考慮して価格を設定するためです。

できるだけ高く売りたい場合は仲介、売却までの期間や手間を優先したい場合は買取というように、目的に応じて検討するとよいでしょう。

売却せずに賃貸として活用する方法もある

空き家になったマンションは、売却するだけでなく、賃貸住宅として活用する方法もあります。

賃貸にすれば、家賃収入を得ながら所有を続けることができます。

ただし、賃貸に出した場合も、区分所有者として管理費や修繕積立金などを負担する必要があります。

また、賃借人が退去した際の原状回復費用や、設備の修繕費用などが発生する場合もあります。

さらに、将来売却する際、賃借人が居住している状態では、自己居住目的の購入希望者に売却しにくくなる可能性があります。

そのため、単に家賃収入が得られるかどうかだけでなく、維持費や将来の売却予定も踏まえて判断することが重要です。

空き家マンションを売却するまでの流れ

所有者や住宅ローンの状況を確認する

まずは、マンションの登記名義人と住宅ローンの状況を確認しましょう。

特に、親から相続したマンションでは、登記名義が亡くなった親のままになっていることがあります。

また、住宅ローンが残っている場合は、売却代金や自己資金などで残債を返済し、抵当権を抹消できるか確認する必要があります。

住宅ローンの残高が売却見込額を上回る場合は、金融機関との調整が必要になることもあります。

管理規約や管理費・修繕積立金を確認する

分譲マンションでは、管理組合が定めた管理規約や使用細則などが設けられています。

売却前には、管理費や修繕積立金の金額、滞納の有無、駐車場の利用契約などを確認しておきましょう。

また、長期修繕計画や総会議事録なども、購入希望者がマンションの管理状況を判断する際の参考資料になります。

管理会社がある場合は、不動産会社を通じて必要な資料を取得することもできます。

不動産会社に査定を依頼する

マンションの売却価格は、立地や築年数、専有面積、階数、方角、室内の状態などによって異なります。

特に分譲マンションの場合、同じ建物内で過去に売買された住戸の成約事例が、査定の参考になることがあります。

ただし、同じマンションであっても、階数や室内の状態などによって価格が異なるため、単純に比較することはできません。

不動産会社に査定を依頼する際は、査定価格だけでなく、その根拠や売却方法についても説明を受けるとよいでしょう。

売却活動・売買契約・引渡しを進める

売却方法や売出価格が決まったら、購入希望者を探すための売却活動を開始します。

購入希望者が見つかり、売買条件について合意したら、売買契約を締結します。

その後、残代金の受領、所有権移転登記、鍵の引渡しなどを行い、売却が完了します。

なお、一般的な空き家売却の手順については、別記事の「空き家売却の流れを7ステップで解説」でも詳しく紹介しています。

空き家売却の流れを7ステップで解説!売却前の準備から引き渡しまで 空き家売却の流れを7ステップで解説!売却前の準備から引き渡しまで

空き家マンションを売却する際の注意点

空き家でも管理費・修繕積立金は発生する

分譲マンションでは、誰も住んでいない状態であっても、原則として管理費や修繕積立金の支払いが必要です。

管理費は、共用部分の清掃や設備の保守点検、管理業務などに使用されます。

一方、修繕積立金は、外壁や屋上防水、給排水設備など、建物の計画的な修繕に備えるための費用です。

これらは、実際に部屋を使用しているかどうかではなく、区分所有者として負担するものです。

例えば、毎月の管理費が15,000円、修繕積立金が20,000円のマンションであれば、合計35,000円の負担が発生します。

この場合、6か月間所有を続けると210,000円、1年間では420,000円、2年間では840,000円の管理費・修繕積立金が発生する計算です。

なお、これらの金額には固定資産税や都市計画税、保険料、駐車場代などは含まれていません。

空き家のまま所有を続けると、こうした費用が積み重なります。

売却するかどうかを判断する際は、今後の維持費についても考慮することが大切です。

管理費・修繕積立金の滞納がないか確認する

管理費や修繕積立金を滞納している場合は、売却前に確認が必要です。

区分所有法では、一定の管理組合の債権について、マンションを購入した人にも請求できる仕組みが設けられています。

つまり、売主が管理費などを滞納している場合、買主がその滞納分の支払いを請求される可能性があります。

そのため、売却時には滞納の有無や金額を確認し、必要に応じて売買代金の決済時に清算するなどの対応が行われます。

滞納があるからといって必ず売却できないわけではありませんが、買主への説明や清算方法を明確にしておくことが重要です。

大規模修繕計画や修繕積立金の状況を確認する

マンションの売却では、専有部分だけでなく、建物全体の管理状況も重要です。

例えば、築年数が古いマンションでは、外壁や屋上防水、給排水設備などの大規模修繕工事が必要になることがあります。

その際、修繕積立金が不足していると、積立金の値上げや一時金の徴収が検討される場合もあります。

購入希望者にとって、購入後の費用負担に関わる情報であるため、売却価格や購入判断に影響する可能性があります。

売却前には、管理会社や管理組合に確認し、長期修繕計画や修繕積立金の状況、今後予定されている工事などを把握しておくとよいでしょう。

室内の不具合や設備の状態を確認する

長期間空き家になっていたマンションでは、室内の設備や建物の状態を確認しておくことが大切です。

特に、次のような事項は確認しておきたいところです。

  • 給排水設備からの漏水や排水不良
  • 給湯器やエアコンなどの設備の作動状況
  • 壁や天井のカビ、結露、雨漏りの痕跡
  • 床や壁などの損傷
  • 窓や玄関扉の開閉状況

これらの不具合がある場合でも、必ず修繕してから売却しなければならないわけではありません。

ただし、売主が把握している不具合については、買主へ適切に説明することが重要です。

売買契約の内容に適合しない状態で引き渡した場合には、契約不適合責任が問題になることがあります。

特に、売主が知っている不具合を伝えずに売却すると、引渡し後のトラブルにつながる可能性があります。

残置物の処分やリフォームは慎重に判断する

空き家マンションを売却する際、家具や家電などの残置物をすべて処分しなければならないと考える方もいるでしょう。

しかし、売却方法や買主との合意によっては、残置物がある状態でも売却できる場合があります。

また、売却前に全面的なリフォームを行えば、必ず高く売れるというわけでもありません。

例えば、リフォームに300万円をかけても、売却価格が同じ金額だけ上がるとは限りません。

購入希望者の中には、自分の好みに合わせてリフォームしたいと考える方もいます。

そのため、売却を検討している段階では、先に不動産会社へ相談し、片付けやリフォームが必要かどうかを判断することをおすすめします。

一般的な空き家の片付けについては「空き家売却前の片付けに関する解説記事」も参考にしてください。

空き家の売却前に片付けは必要?荷物を残したまま売る方法と費用を解説 空き家の売却前に片付けは必要?荷物を残したまま売る方法と費用を解説

売却後は管理組合への届出などを確認する

分譲マンションを売却した場合、管理組合や管理会社に対して、区分所有者の変更に関する届出などが必要になることがあります。

具体的な届出の名称や提出方法は、マンションの管理規約などによって異なります。

また、管理費や修繕積立金、駐車場使用料などについても、売主と買主の間で負担する期間を確認する必要があります。

一般的には、売買契約で定めた基準日などに応じて、決済時に費用を清算します。

売却後も管理費の請求が続くといったトラブルを防ぐため、必要な届出や清算について、不動産会社や管理会社に確認しておきましょう。

相続した空き家マンションを売却する場合の注意点

亡くなった親の名義のままでは売却手続きを完了できない

親から相続したマンションを売却する場合は、登記名義を確認する必要があります。

亡くなった親の名義のままでも、不動産会社に売却の相談をしたり、査定を受けたりすることは可能です。

ただし、買主への所有権移転登記を行うためには、通常、相続人への相続登記を済ませる必要があります。

また、相続人が複数いる場合には、誰がマンションを取得するのか、売却について相続人間で合意できているのかも確認しなければなりません。

なお、相続登記は2024年4月1日から義務化されています。

原則として、不動産を相続により取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、施行前の相続にも経過措置が設けられています。

相続登記が済んでいない場合は、司法書士などに相談し、売却手続きに支障が生じないよう早めに準備を進めましょう。

親が施設に入所している場合は売却権限を確認する

親が老人ホームなどの施設に入所し、以前住んでいたマンションが空き家になっている場合もあります。

この場合、マンションの所有者が親であれば、原則として親自身が売却について判断し、売買契約を締結する必要があります。

子どもであっても、親の所有するマンションを当然に売却できるわけではありません。

親本人の意思に基づいて適切な代理権を与えられている場合などは、代理人による手続きが可能なこともあります。

一方、親の判断能力が低下している場合は、成年後見制度などの検討が必要になることがあります。

成年後見人が本人の居住用不動産を売却する場合には、家庭裁判所の許可が必要となる場合もあります。

そのため、親が施設に入所しているマンションの売却では、まず所有者本人の意思や判断能力、売却権限を確認することが重要です。

分譲マンションは相続空き家の3,000万円特別控除の対象外

相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たすことで、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。

しかし、区分所有建物である一般的な分譲マンションは、この相続空き家の特例の対象になりません。

この特例では、対象となる家屋について、区分所有建物登記がされていないことなどが要件とされているためです。

ただし、マンションだからといって、売却時に利用できる税制上の特例がすべてないわけではありません。

例えば、所有者本人が以前居住していたマンションを売却する場合には、一定の要件を満たせば、マイホームを売却した場合の3,000万円特別控除などが利用できる可能性があります。

適用できる特例は、誰が所有していたのか、誰が居住していたのか、いつ売却するのかなどによって異なります。

具体的な税務上の判断については、税務署や税理士に確認することをおすすめします。

参考:国税庁|被相続人の居住用財産を譲渡した場合の特別控除

空き家マンションの売却に関するよくある質問

築40年以上の古いマンションでも売却できますか?

築40年以上のマンションであっても売却は可能です。

ただし、築年数に加えて、耐震性や建物の管理状況、修繕積立金の状況などが購入希望者の判断に影響します。

築年数が古いという理由だけで売却を諦めず、まずは現在の市場価値を確認するとよいでしょう。

家具や荷物を残したまま売却できますか?

家具や荷物が残っている状態でも、不動産会社への相談や査定は可能です。

また、買取などでは、残置物を残したまま売却できる場合もあります。

ただし、仲介による売却では、引渡しまでに残置物を撤去する条件となることも多いため、売買条件を確認する必要があります。

住宅ローンが残っていても売却できますか?

住宅ローンが残っていても売却できます。

ただし、通常は売却代金や自己資金などによって住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。

売却代金で完済できない場合は、事前に金融機関へ相談しましょう。

遠方に住んでいても売却できますか?

遠方に住んでいる場合でも、マンションを売却することは可能です。

不動産会社との連絡や書類のやり取りなどを、メールや郵送で進められる場合もあります。

ただし、本人確認や契約、決済などの場面では、手続き方法について個別の確認が必要です。

遠方に住んでいる場合は、現地での管理や内覧対応をどこまで任せられるかも、不動産会社を選ぶ際のポイントになります。

空き家マンションは売却までどのくらいかかりますか?

売却までの期間は、マンションの立地や価格、管理状態、市場の需要などによって異なります。

仲介の場合は、購入希望者を探す期間に加え、売買契約から引渡しまでの期間が必要です。

数か月程度で売却できる場合もあれば、それ以上かかる場合もあります。

早期売却を希望する場合は、不動産会社による直接買取も含めて検討するとよいでしょう。

まとめ|空き家マンションの売却は管理状況と権利関係の確認が重要

空き家になっている分譲マンションは、基本的にそのまま売却できます。

また、誰も住んでいない状態であれば、内覧や引渡しの調整がしやすいという利点もあります。

ただし、分譲マンションには、戸建て住宅とは異なる確認事項があります。

特に、管理費・修繕積立金の負担や滞納の有無、管理組合の規約、建物全体の修繕計画などは、売却前に確認しておきたい事項です。

さらに、相続したマンションであれば、相続登記や相続人間の合意などが必要になることもあります。

売却を検討している場合は、必ずしも片付けやリフォームを先に行う必要はありません。

まずはマンションの状況を整理し、売却方法や必要な準備について不動産会社に相談するとよいでしょう。

神奈川県内の空き家マンションの売却はリバーフィールドへ

リバーフィールドでは、神奈川県を中心に、空き家マンションや戸建て住宅などの不動産売却に関するご相談を承っております。

「相続したマンションを売却したい」「長期間空き家になっているマンションをどうすればよいか分からない」「遠方に住んでいて売却手続きを進めるのが難しい」といった場合も、物件の状況に応じて売却方法をご提案いたします。

また、リバーフィールドでは、不動産会社と行政書士事務所の両方を運営しています。

そのため、不動産の売却だけでなく、相続に関するご相談や必要な行政手続きについても、一つの窓口でご相談いただけます。なお、相続登記など他の専門資格が必要な業務については、必要に応じて専門家と連携して対応します。

売却するかどうか決めていない段階でも構いません。

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